友達は病気になった

容量に限りのある袋があって、以前は見るものすべてが新しく新鮮で刺激的で、それを手にとって袋に詰めた。
少しだけ重くなった袋を手にし、満足した。
袋がある程度いっぱいになると、目の前にあるものと袋の中のものとを見比べ、時には迷い、悩み、欲しいほうだけを袋に入れた。
そのうち、見比べなくてもその善し悪し(ただし自分の中での基準に基づいたもの)がわかるようになり、いらないものは躊躇なく投げ捨てた。

袋には際限なく新しいものが入るわけではないし、底の方にあるもののいくつかはその重みのため形も変形し腐敗し、また手の届かないところに行ってしまったものも多々ある。

悲しいことは、当初に感じていた新鮮さや刺激は既に感じなくなり、必ず何かと比べてしまう習慣がついたこと。

"わかる/理解する"ということも大切だし、我慢して袋に詰めなければならないものもある。
その重くなった袋を引きずって、歩いて、時には休んでいる。