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オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

知人のBLOGで読評を拝見しまして、ベタぼめしていたので買った。
この作家さんは名前は知っていましたが読むのは初めて。
ラストの結の部分がすごかった。
なんというか最後に一気に収集されていく快感みたいなのが。
ドミノがどわーって倒れていく快感みたいなのか。
ネタバレありそうなのでたたみます。
ここ最近の作家さんはあまり手を出していなかった理由みたいなのは、
なんとなく文体やら世界観がライトすぎて安っぽいのかな?みたいな食わず嫌い的な感覚。
この本は文体やらなにやらは気にならなかったけど、
手法みたいなのがしっかり考えられている作りこまれた小説みたいなカンジではあった。
まあ、理屈っぽく言うとそうなんだけど、とりあえず童話的でもありおもしろかった。
田中さんの告白の部分より、静香が島に来た理由みたいな部分でふるふるときた。
(たりないものってそれ!?っていう感覚もあったけどもw)
城山の話はいらないんじゃない?とかプレッシャーを与えるための単なるスパイスかと思ってたら、
最後の桜との複線とかこういう複線!?みたいな。
複線ありすぎなんじゃないの?っていうわざとらしさはちょっと感じたけども、
でも、それがいいんだろうなぁ…
事実、読後感は猛烈に気持ちいい。


絶対的な精神的支柱があってさ、
それに自分が選ばれた!って思ったら、
張り切って行動するよなー、とかなんとか。
勇午かっこよすぎ。


あー。この本、好きだわ。
この人の他の作品も読んでみたいと思います。