最強の定義

「重力ピエロ」が映画化される、と。
当初の噂ではV6の岡田君がやる、と聞いていたのだけれども、
岡田違いだった。あれま。
(以下、盛大なネタバレあり)


この映画は役者のPV的映画の位置づけ(自分の中で)。
渡部さんがすごい。小日向さんがすごい。
とにかくこのフタリがいてよかったなー、と。
特に渡部さんのあの息を吐きながら言葉を発するアレが、
狂人じみていて悪人すぎた。
あとは夏子さん登場時の挙動不審ぶりがぐっときた。
あの言葉が不自由なカンジ(ろれつが回らないカンジ)は演技?元々?
子役の二人にも救われました。ファンタグレープ。


で。
原作があって、それを映画化、ということで、
いろいろと設定がかわったり省略されている部分が多々ありまして。
人によって「このシーンは重要!」ってポイントが違うので、
作り手の「これはいらないな…」ってのと意見が一致しないとダメだなー。と。
原作にあった「萩の月を持ってあやまりに行く」っていうのがなくて、
あれで救われた、と個人的には思っていたのでそれがなくてがっくり
(つまり映画の中では罪を背負ったまま終わってしまったわけで)。
それと葛城をあの場所で始末したら、
身元が判明してそれと場所の関連を調べられたら、
あの家族が容疑者としてあっさり浮かんできちゃうよね…
こまったね。


落書きに書かれている言葉の意味だとか、
夏子さんの職業とか(それに伴って、夏子さんの存在が軽いものに感じた)、
春が公式に壁に絵を描く場面とか(春が絵を描く意味、って重要だと思うの)、
ジョーダンバットの存在意義とか。
まあ言い出したらキリがないんだけど、そういうのいろいろ。


原作にあったミステリー的な雰囲気は薄れて、
家族がどうのとかそういうのに重きが置かれ、
母親の悲劇的な人生がクローズアップされて、
あまり救いようのないストーリーに思えたり。


難しいですね。自分の好きな小説の映画化って。
原作レイプまで行かないけど、超えられてなかったかな…